【レーシック知識】口コミサイトを活用してクリニック選びブログ:30 8 15
あたしのお父さんは膵臓ガンになってしまった。
もって半年とのこと…
「なんじゃそりゃ…」
はじめて聞いたとき、あたしは全然実感がなかった。
あたしは、お父さんが風邪をひいた姿すら一度も見たことがなく、
「肉体が丈夫なだけが自慢だ」
とお父さん自身も常々言っていた。
そんなお父さんがガンだなんて…
あたしは母親が嫌いだけど、お父さんは大好きだ。
あたしが高校を卒業して
芸大の写真学科に行きたいって言ったときも、
母親はつぶしがきかないと言って反対していたけど、
お父さんはやりたいことをやるべきだ!と賛成してくれた。
あたしにとって、お父さんは良き理解者だったのだ。
1日1日と、
日ごとにやつれていくお父さんを見て、
「もう助かる見込みはないんだな」と悟ったとき、
あたしはお父さんが楽しそうなところを撮影することに決めた。
バイト先のギャラリーが
14日間個展をさせてくれると言ってくれた。
あたしは、大好きなお父さんの写真集をつくろうと決めた。
死んでゆく人の最期を写真に撮るなんて不謹慎だ!
…という人もいるかもしれない。
でもお父さんは「面白そうだな」と言ってくれた。
病室で呼吸器をつけられたお父さんを撮影した。
お父さんが営んでいたうどん屋の常連客が次々と病室に訪れて、
あまり多くを話すことはできないけれど、
やさしい表情で迎えるお父さんを写真に撮った。
お父さんが亡くなって、あたしはお父さんの写真展を開いた。
ギャラリーに訪れたお父さんの常連客や弟子たちは涙を流し、
写真集をめくりながら、お父さんとの思い出を語ってくれた。
写真はあたしとお父さんとの共同作品になったと思う。
母親との関係も少しずつよくなってきている。
あたしはお父さんの娘に生まれて、
本当に良かったと思う。